超光速航法「ワープ」は実現可能?
SF映画などで登場する宇宙船でよく目の当たりにするワープ。
ただ物理原則的には物質は光速(光の速さ)を超えられないので、ワープなんてものは実現不可能ではないかと考えられます。
果たしてこのワープ、理論的に可能なのでしょうか?
可能性があるならば一体どういった原理で実現されるのでしょうか?
光速を超えられないので宇宙でワープするのは不可能?
まず大前提として、光は最速でありそれ以上の光速を超えることはあり得ないとされています。
これは物理学者のアインシュタインによって提唱された相対性理論によるものです。
もし仮に光速以上のものが存在したら、この相対性理論と矛盾し、この世界の在り方は間違いとなるとされていますね。
光の速さは秒速約30万km(1秒間に地球を7周半で移動できる速さ)と大変早いわけですが、いくら速いとはいっても有限ですし、移動する距離が遠ければ当然時間がかかります。
このようにどんな距離でも瞬間的に移動できるわけではないので、これではワープができるとは言えません。
このようなことから、ワープの実現は不可能ではないかとされているんですね。
しかし光速によるしがらみとは関係なしに、宇宙でワープができる可能性は理論上は可能であると言われているようです。
宇宙でワープできる可能性があるとしてその原理とは?
光速による制約とは関係なしに宇宙でワープができる可能性があるとされていますが、その原理は一体何なのでしょうか?
これは主に下記の2つの原理でワープが可能だとされています。
- 空間を膨張・収縮させる
- 超高速粒子「タキオン」を使う
空間を膨張・収縮させる
宇宙でのワープを実現させる方法として、まず言われているのが、空間を膨張・収縮させるというものです。(アルクビエレ・ドライブという理論)
空間の膨張・収縮スピードは、光速を超えると言われているので、前方の空間を収縮させて後方を膨張させることで、ほぼ瞬時に移動することが可能になるとされています。
このとき宇宙船を「ワープ・バブル」と呼ばれる空間で包むことで、外から見れば光速より早く移動したように見えるものの、その空間内では光速を超えておらず、外の空間へ通信もできないので、相対性理論にも因果律にも反していないのだとか。
もちろん現時点では実現には到底及ばないとされているものの、その研究・議論は続いているようです。
超高速粒子「タキオン」を使う
更にワープを可能にするものとして挙げられるのが、超高速粒子「タオキン」の存在です。
タオキンとは相対性理論に矛盾しない形で光の速さを超えることができる粒子のことで、エネルギーを失うほどに速度が加速するという特徴があることから、限りなく速いスピードで移動することができると考えられているもの。
このタオキンに宇宙船や人間をミクロ化させて乗せることで、ワープのようなことが可能になるのではないかと言われています。
ただこのタオキン、あくまで理論上存在するのではないかと考えられている粒子であり、実際に発見するのは不可能ではないかとも言われていますね。
もし仮に発見できた場合は、ワープはもちろんタイムマシンまでも実現されるようです。
ワームホールを使うことでもワープが可能?
ワームホールを通ることでも、別の位置へ瞬間的に移動できるすることは可能だとされています。
ワームホールとは、ブラックホール(ホワイトホール)間を結んだトンネルのことで、実際にその存在が確かめられたことはないものの、理論上存在しているのではないかと言われているものです。
ただこのワームホール内部は潮汐力が半端ではなく、その中を通ると素粒子レベルにまで粉々になってしまうようです。
このワームホールを通れるようにするには、宇宙を創り出すのに必要なエネルギーに値する膨大なエネルギー量を用意するか、負の質量を持つ「エキゾチック物質」を用意しなければなりません。いずれにしても現実的ではないと考えられています。
実現できるにしても、いつでもどこでも自由にワープできるというよりかは、転送元・転送先が固定された転送装置のような形でしか使えない感じでしょうか?
まとめ
いずれの理論にしても、今の技術力では実現不可能だとされていますが、この先技術的特異点を迎えるなりすることで、実現されることもあるかもしれません。
コメント